キィの日記

趣味のお話とか

拝啓、須磨寺雪緒様

僕が初めて本当に好きになった君。修学旅行の夜、布団の中で友達に語ったスキが単なる処世術に過ぎないことを教えてくれた君。須磨寺雪緒。 14歳の僕は、屋上で夕日に向かって飛び込もうとする君を追って屋上の扉の前までやってきた。鍵がかかっていた。当た…

「恵まれた」夢見りあむを呪ったその先で君を待つもの ーエセメンヘラは誰なのかー

『私の「夢見りあむが許せない」』https://anond.hatelabo.jp/20190422115235 この文章は、はてな匿名ダイアリーに投稿された『私の「夢見りあむが許せない」』に捧げるものだ。この記事自体が『夢見りあむが許せない(https://anond.hatelabo.jp/2019041717…

『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』感想 ―自ずから選び取る運命のために―

選ばれたことに喜びを感じた瞬間から、選んだ相手に自分の運命を握られている、という絶対的な原理があるんです。だから、選ばれたらそれを引き受けるけれども、それは選ばれたから無条件に引き受けるんじゃなくて、選ばれたあと引き受けるかどうかという判…

なぜ「アライさん」に自分を語らせるのか

ここ数日、『けものフレンズ』のキャラクターである「アライさん」を名乗るTwitterアカウントが大量発生している。 特筆すべきは、その多くがアカウント名に「今、自分が直面しているしんどさ」を掲げている点である。 親の不仲で学校に行くことが出来ない。…

89 『円盤皇女ワるきゅーレ』に出てくる強い女の話をします

強い女に殺されたい。 具体的には『円盤皇女ワるきゅーレ』の4話のワルキューレに殺されたい。 天使の星・ヴァルハラ星の王女であるワルキューレのもとに、同盟国のモーラ星から許嫁候補のトリアム王子がやってくる。トリアムは自分の事は全て他人にやらせて…

88 体液は何色でもキモいと思う

秋葉原を当てもなく歩いていると、手のひらサイズのスーモのぬいぐるみがUFOキャッチャーのアクリル板の向こうに鎮座していた。 www.taito.co.jp 間の抜けた愛嬌さが、妙に僕を引きつける。僕は以前から彼の事を少し気にして生活していた。 不動産サイトのマ…

87 蛇腹状の柴犬

弛緩、という言葉は蛇腹状の柴犬の形をしている。 スーパーの帰り道、僕の隣を柴犬を連れた男が通り過ぎた。外套を何重にも着込んでいるのか、大変もこもことしていて、それが外套による膨らみなのか、元来そういう体型なのか判別がつかない。男の柴犬は蛇腹…

86 どんな狩りも許される夢

僕は覇王にならなくてはいけない。「肉のカタマリ」になってはいけない。 肉のカタマリは、覇王に蹴られ、殴られ、嬲られ、蹂躙され、覇王の下に跪き導きを乞わなければならない。 なぜなら、肉のカタマリは、卑しくて、つまらなくて、くだらなくて、さもし…

85 同窓会には誰が来る?(劇場版 機動戦艦ナデシコについて)

※浅野いにお『おやすみプンプン』13巻より 今更劇ナデを観ていました。劇場版機動戦艦ナデシコ。 TVシリーズの2年後を描いた作品です。一度解散した宇宙戦艦ナデシコの乗組員たちが、一回り大人になって帰ってきます。 僕は劇ナデを観るのが怖かったんです。…

84 扉の向こう側からやってくる虎

僕の弟は阪神タイガースの歌をよく歌います。 弟には、分別というものがなく、僕がテスト前だというのに、お構いなしでオン・ステージです。 六甲おろしに始まり、打順1番から9番までの応援歌まで、阪神タイガースの歌を全部歌います。 僕は阪神ファンではな…

83 誰も太陽を見ることは出来ないけれど

柱にくくられてさらしものになっても、俺は存在するし、太陽を見ているんだ。太陽が見えなくたって、太陽の存在することは知っている。太陽の存在を知ってるってことは、それだけで、もう全生命なんだよ。 ※ドストエフスキー 原卓也(訳)『カラマーゾフの兄…

82 使い切った後のリップクリームは軽かった。

医薬部外品、4グラム。緑色のパッケージをしたロート製薬のリップクリーム。僕はコイツをつい昨日使い切ったので、今日ドラッグストアで新しいのを買ってきた。 僕がリップクリームを買い換えるという経験は、これが初めてであった。ずぼらな僕は最近になる…

81 ファ・ユイリィがアーガマでカミーユ・ビダンに再会した時の感情=成人式の全身ユニクロ人間

エゥーゴとティターンズの戦いの中、自身の住むコロニーを破壊された少女ファ・ユイリィは、同じコロニーに住んでいた幼馴染の少年、カミーユ・ビダンと別れることとなる。 カミーユは成り行きで乗り込んだエゥーゴの戦艦、アーガマ所属の少年兵となり、ガン…

80 君は教室の片隅で黒猫の絵を書いていた。

僕達がまだ中学生だった頃、君は教室の片隅で黒猫の絵を描いていた。 ノートに黒猫の絵を描いていた。 俺妹の黒猫の絵を。 君は黒猫の瞳をよく描いていた。 緋色に輝く瞳を描いていた。 君は黒猫の瞳に夢中だった。 やがて彼女は恋をした。 好きな男のところ…

79 元旦には、世界を救いに行かなくちゃ

元旦の日には、世界平和をお願いしに行かなくちゃ。 どうして? この手のお願いはねぇ、お願いをやめちゃうと、一層ひどくなってしまうものなんだよ。「あ、もういらないのね」って具合に。だから初詣の時には、世界平和をお願いしなくっちゃあ、いけません…

78 今年読んで面白かったやつら

少女革命ウテナ 本じゃないじゃん!いいだろ!メディアなんだから!メディアは読み物なんだから! 今年最も大きな僕の感情の一つです。ウテナ。 関係性の暴力で重いストレートを顔面にラッシュしてくるアニメ。 これを観てから自分が「関係性」に着目するタ…

77 クジラは沖へ帰るのか

君が苦しんでいる時、君の隣にあるべきは僕のはずだった。 それが、なぜだ? いつ僕は、君の大切なものを、壊してしまったのだ? 僕は目が悪いんだ。いつか太陽を見ようとして、燃やしてしまったんだ。 僕が走り回って壊してしまったもののうち、一体どれが…

76 12月25日、嘘つきは全員燃えて灰になる

なーにが「クリスマスは爆発しろ」だよ。お前たちはそうやって爆発派という徒党を組んで連帯感とか楽しんじゃってるワケ、でしょ?まるで自分たちは不幸で哀れで怒る権利があるみたいにさあ。バカかよ。恋人がいる状況よりもずっとずっと楽なんじゃねえのか…

75 クラフトワークが好きだった吃音持ちの君

僕が高校を辞めたその日、手続きを終えて職員室から去っていく僕を呼び止めた君はクラフトワークが好きな吃音持ちの少年だった。その時の僕は、誰にも触れられたくなかったので、俺に触れるな!とかなんとか、よくわからないキレ方をして、僕は君を振り切っ…

74 「セックスしたいアイマスのアイドル」みたいなユーモア

すげーキモい。やってる本人も分かってるんだろうけど。一番嫌なのは自分がそういうユーモアに同意してしまうところがあるってとこ。 そりゃアイドルだって人間だから、そういう事と無縁じゃないんだろうけれど。そういう事に興味を持たないアイドルもいるだ…

73 聖なる盾、拾ったエロ本、ラベル

金曜日はシャワーをしないで眠った。早朝のバイトから帰った後、大学をサボってハースストーンの酒場の喧嘩をひたすらやっていた。いつの間にか夜になっていた。僕は喧嘩をクリアする事が出来ないでいた。聖なる盾を貼りまくる敵がどうしても倒せないのだ。 …

72 入院したい

僕が小学生の頃の話だ。僕の父が網膜剥離で一月だか、二月だか入院したことがある。典型的な仕事人間にとっては、長期間仕事から離れるのは人生で初めての事だったに違いない。 その間、父はひたすら小学生向けの伝記マンガをひたすら読んでいた。母が僕に買…

71 カラマーゾフ、スラムダンク、カードキャプターさくら、まどか☆マギカ

かったるいので大学は休みにした。というのも最近僕は大学で勉強していることよりも別のことに興味が向いてしまって、まるで手につかないのだ。 それはサークルで書いているシナリオのこともそうなのだけれど、それと同じくらい「なぜキリストは荒野の誘惑に…

70

サークルで作ってるノベルゲームのシナリオの締切が迫っている。プロットは出来ているので、あとは肉付けだけなのだが、どうも体の調子優れず、全てが面倒くさい。本当に。ひたすら面倒くさい。なんだこれ。 今日も6~9時のバイトから帰ってきた後、寝て、…

69 無限のリヴァイアス 和泉こずえ 尾瀬イクミ

無限のリヴァイアス観終わった。 あのさぁ~~~~~~~~~~~和泉こずえ?お前だよ、お前。ちょっとツラ貸せヨ。えぇ?なんなんだオメーはよォ。 俺はね、許されないと思うよ。 こいつはねぇ、尾瀬イクミっつーメサコン男を利用して気持ちよくなってると…

68

休日はボーッとユーチューブなんか見てる。ほんと、これといって何か積み重ねたような気が起きないのに、時間だけが過ぎてる。すごいぜユーチューブ強いぜユーチューブ。ログインいらずで、シークバーは自由自在(僕がNTTにみかじめを払っている限りはね)。…

67

元来、僕には、酷い道化をしてやりたい気分になる時がある。スクランブル交差点の中心でオナニー・ショーでもしてやりたい気分にだ。自慢じゃあないが、現実世界の僕を知る人間の多く……所謂「善良な人々」は「君は真面目だねえ」なんて評価を下すのだ。真面…

品田遊『名称未設定ファイル』 感想

我々が住むインターネットで日夜起こる出来事をテーマにしたものを主として取り上げつつ、インターネット要素はそれほどでもないSFまで、品田遊が自分に書けるものを出来るだけ沢山持ってきてくれたショートショート集。 17篇すべて面白い。 だが、特筆すべ…

65 ア、糞

秋ハ夏ト同時ニヤッテ来ル。と書いてある。 夏の中に、秋がこっそり隠れて、もはや来ているのであるが、人は、炎熱にだまされて、それを見破ることが出来ぬ。耳を澄まして注意をしていると、夏になると同時に、虫が鳴いているのだし、庭に気をくばって見てい…

江波光則『我もまたアルカディアにあり』 感想

天国は見つかったか。 我もまたアルカディアにあり (ハヤカワ文庫JA) 作者: 江波光則,loundraw 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/06/24 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る 人の一生は何のためにあるのか。その解答の中で最もポピュラ…