キィの日記

趣味のお話とか

2019-01-01から1年間の記事一覧

拝啓、須磨寺雪緒様

僕が初めて本当に好きになった君。修学旅行の夜、布団の中で友達に語ったスキが単なる処世術に過ぎないことを教えてくれた君。須磨寺雪緒。 14歳の僕は、屋上で夕日に向かって飛び込もうとする君を追って屋上の扉の前までやってきた。鍵がかかっていた。当た…

「恵まれた」夢見りあむを呪ったその先で君を待つもの ーエセメンヘラは誰なのかー

『私の「夢見りあむが許せない」』https://anond.hatelabo.jp/20190422115235 この文章は、はてな匿名ダイアリーに投稿された『私の「夢見りあむが許せない」』に捧げるものだ。この記事自体が『夢見りあむが許せない(https://anond.hatelabo.jp/2019041717…

『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』感想 ―自ずから選び取る運命のために―

選ばれたことに喜びを感じた瞬間から、選んだ相手に自分の運命を握られている、という絶対的な原理があるんです。だから、選ばれたらそれを引き受けるけれども、それは選ばれたから無条件に引き受けるんじゃなくて、選ばれたあと引き受けるかどうかという判…

なぜ「アライさん」に自分を語らせるのか

ここ数日、『けものフレンズ』のキャラクターである「アライさん」を名乗るTwitterアカウントが大量発生している。 特筆すべきは、その多くがアカウント名に「今、自分が直面しているしんどさ」を掲げている点である。 親の不仲で学校に行くことが出来ない。…

89 『円盤皇女ワるきゅーレ』に出てくる強い女の話をします

強い女に殺されたい。 具体的には『円盤皇女ワるきゅーレ』の4話のワルキューレに殺されたい。 天使の星・ヴァルハラ星の王女であるワルキューレのもとに、同盟国のモーラ星から許嫁候補のトリアム王子がやってくる。トリアムは自分の事は全て他人にやらせて…

88 体液は何色でもキモいと思う

秋葉原を当てもなく歩いていると、手のひらサイズのスーモのぬいぐるみがUFOキャッチャーのアクリル板の向こうに鎮座していた。 www.taito.co.jp 間の抜けた愛嬌さが、妙に僕を引きつける。僕は以前から彼の事を少し気にして生活していた。 不動産サイトのマ…

87 蛇腹状の柴犬

弛緩、という言葉は蛇腹状の柴犬の形をしている。 スーパーの帰り道、僕の隣を柴犬を連れた男が通り過ぎた。外套を何重にも着込んでいるのか、大変もこもことしていて、それが外套による膨らみなのか、元来そういう体型なのか判別がつかない。男の柴犬は蛇腹…

86 どんな狩りも許される夢

僕は覇王にならなくてはいけない。「肉のカタマリ」になってはいけない。 肉のカタマリは、覇王に蹴られ、殴られ、嬲られ、蹂躙され、覇王の下に跪き導きを乞わなければならない。 なぜなら、肉のカタマリは、卑しくて、つまらなくて、くだらなくて、さもし…

85 同窓会には誰が来る?(劇場版 機動戦艦ナデシコについて)

※浅野いにお『おやすみプンプン』13巻より 今更劇ナデを観ていました。劇場版機動戦艦ナデシコ。 TVシリーズの2年後を描いた作品です。一度解散した宇宙戦艦ナデシコの乗組員たちが、一回り大人になって帰ってきます。 僕は劇ナデを観るのが怖かったんです。…

84 扉の向こう側からやってくる虎

僕の弟は阪神タイガースの歌をよく歌います。 弟には、分別というものがなく、僕がテスト前だというのに、お構いなしでオン・ステージです。 六甲おろしに始まり、打順1番から9番までの応援歌まで、阪神タイガースの歌を全部歌います。 僕は阪神ファンではな…

83 誰も太陽を見ることは出来ないけれど

柱にくくられてさらしものになっても、俺は存在するし、太陽を見ているんだ。太陽が見えなくたって、太陽の存在することは知っている。太陽の存在を知ってるってことは、それだけで、もう全生命なんだよ。 ※ドストエフスキー 原卓也(訳)『カラマーゾフの兄…

82 使い切った後のリップクリームは軽かった。

医薬部外品、4グラム。緑色のパッケージをしたロート製薬のリップクリーム。僕はコイツをつい昨日使い切ったので、今日ドラッグストアで新しいのを買ってきた。 僕がリップクリームを買い換えるという経験は、これが初めてであった。ずぼらな僕は最近になる…

81 ファ・ユイリィがアーガマでカミーユ・ビダンに再会した時の感情=成人式の全身ユニクロ人間

エゥーゴとティターンズの戦いの中、自身の住むコロニーを破壊された少女ファ・ユイリィは、同じコロニーに住んでいた幼馴染の少年、カミーユ・ビダンと別れることとなる。 カミーユは成り行きで乗り込んだエゥーゴの戦艦、アーガマ所属の少年兵となり、ガン…

80 君は教室の片隅で黒猫の絵を書いていた。

僕達がまだ中学生だった頃、君は教室の片隅で黒猫の絵を描いていた。 ノートに黒猫の絵を描いていた。 俺妹の黒猫の絵を。 君は黒猫の瞳をよく描いていた。 緋色に輝く瞳を描いていた。 君は黒猫の瞳に夢中だった。 やがて彼女は恋をした。 好きな男のところ…

79 元旦には、世界を救いに行かなくちゃ

元旦の日には、世界平和をお願いしに行かなくちゃ。 どうして? この手のお願いはねぇ、お願いをやめちゃうと、一層ひどくなってしまうものなんだよ。「あ、もういらないのね」って具合に。だから初詣の時には、世界平和をお願いしなくっちゃあ、いけません…