僕は自分とアニメキャラが話している構図を想像できない
最近、アニメキャラと話してますか?
痛いオタクの代名詞。ヤベー奴の代名詞。架空の人物とお喋り。
先日紹介した秋山瑞人の『猫の地球儀』のあとがきですら「作者とキャラの対談は痛い」と遠回しに言われているので、既に10年以上言われている、定番の痛要素という事になります。
でも、架空の人物、或いは自分と距離が遠い相手との会話をイメージして文章に起こすって難しくありませんか?
今回は自分と距離が遠い人物と話す小説を書いて、会話トレーニングにならないか検証してみようと思います。
試しに僕とキムタクで話してみよう
※キムタク・ご存知SMAPの目立つ奴。ギャツビーのCMに出た時のダンスが伊尻のMADによく出てくる。とろろが苦手らしい。マラソンの円谷選手と気が合わなそう。
僕「初めまして~キムタクさん!」
キムタク「ちょ待てよぉ。何お前初対面なのに呼び捨てにしてんだよぉ」
僕「え!?してないですよ!僕の中ではキムタクさんはキムタクさんなんで…」
キムタク「ちょ待てよぉ。何がキムタクさんだよオメー」
僕「すいません…じゃあ拓哉さんでいいですか?」
キムタク「ちょ待てよぉ。なんつった今?もう一回言ってみろ?」
僕「拓哉さんやめて…」
タクヤさん「お・じ・さ・ん!?だとぉ!?ふざけんじゃねーよお前お・兄・さ・ん・だ・ルルォ!?」
キムタク「ちょ待てよぉ。誰だオメー」
タクヤさん「皆さんご無沙汰しております。悶絶少年専属調教師のタクヤと申します」
キムタク「ちょ待てよぉ。誰だよ。説明しろ、キィ」
僕「この方は有名なセクシー男優の方ですね」
キムタク「ちょ待てよぉ。聞ィてねぇぞ。つまみ出せ」
キムタク直属の黒服「Yes,sir.」
タクヤさん「怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨…愛ぶっぱなして(辞世の句)」
(黒服に引きずられてサウナ室型の焼却炉に入っていくタクヤさん)
僕「なんとかなりましたね…」
キムタク「ちょ待てよぉ。興ざめだわ。俺帰る」
僕「そんなぁ~」
※タクヤさん・ご存知BLEACH作者になってしまった男(なってない)。自伝的小説『ウリで狂ったあと』シリーズなど積極的に執筆活動を行っている。その美しすぎる射精には3000円の価値があるらしい。スポーツジムに精液まみれで通っている。連休が取れるとバリ島にサーファー仲間とサーフィンをしに行くらしい。
反省会をしてみよう
難しかったけれど、一応書き終えることが出来たので、反省会をしてみようと思います。
良くない点1・相手から話題を振ってもらっている
自分は簡単な挨拶でお茶を濁しているのに、キムタクさんはすぐ「呼び捨てトーク」を振って会話を進めていきます。ここは僕が先制で話題を提供して会話をリードするべきでした。
でもキムタクさんに気の利いた話題を提供してる自分ってどうしても想像出来ないんですよね。この部分を自然に想像できるようになればきっと会話が上手くなると思います。
良くない点2・都合の良いハプニングに期待している
このままでは会話が途切れてしまう事が怖く、『タクヤさん』というご都合兵器を出してしまっています。現実の会話には都合の良いハプニングなど起こらないので自分から会話を作っていかなければなりません。
でも都合の良いハプニング無しに会話を円滑に進めている自分って想像出来ないんですよね。この部分を自然に想像できるようになればきっと会話が上手くなると思います。
反省点を見つけるには有効かもしれない
何も考えず、自然体で書いていけば自分が想像出来ないことは絶対に書けないので、普段の自分の会話思考回路のどこがダメなのか判断するには有効かもしれません。
でもこれだったら、実際の会話音声を録音して検討した方が早いですね。
よって作者とキャラクターの対談にはあんまり会話トレーニングとしての効果は無さそうです。
なので皆さんは作者とキャラの対談SSは書かないようにしましょう。