スピードに目をやられ、退屈が見えなくなるまで
このフレーズめっちゃ良くないですか。
尾崎豊の『Driving All Night』って曲のフレーズなんですけど。
「街までのハーフ・マイル アクセル踏み込む」に続くフレーズ。
目に風が強く吹き付けて来て、何にも見えなくなってしまうような、或いは周囲の景色が次々と背中に流れていって、何も見えなくなってしまうような。
「退屈が見えなくなるスピード」は仏教の涅槃に近いものなのかもしれない。
退屈が見えなくなる速度まで、誰もが加速したいと願う。そして、ある瞬間においては確かにその速度に到達する事がある。でもそれは永遠じゃない。加速させているエネルギーもいずれは尽きる。ガス欠になる。そしてまた忘れていた退屈が視界を埋め尽くしていく。
それでもまた給油さえすれば、きっとまたその速度まで辿り着けるはず。
たとえ加速しても、退屈は無くなったりしない。常にそこにある。視界から一時的に消えるだけ。それでもいい。どうせ消えない物ならば、それと上手く付き合っていく事でしょう?
そんな今日は尾崎豊の誕生日でした。