キィの日記

趣味のお話とか

「水素水に騙されないように学校の勉強をがんばろう・がんばりなさい」と言う奴の薄っぺらさ

 去年、水素水商法がインチキだという事が話題になった。その流れで最近のTwitterには「騙されないために学校の勉強を頑張りましょうね~」などという寝ぼけたバカが大量発生している。

 高校を中退した僕が言うのもアレだが僕は学校で水素の効能の有無について事細かに学んだ覚えはない。

 仮に中退していなかったとしても元素1つ1つの細かい効果について化学の授業で取り上げたとは考えにくい。精々、火を点けるとめっちゃ燃える程度だろう。

 仮に教科書に「水素にそんな効能は無い」と書いてあったとして科学は日進月歩なのだから、自分の学んだ時代に無かった科学的根拠が新たに発見され、水素の効能が認められた可能性だってあるだろう。

 つまり、「学校の勉強を頑張っただけでは水素水に騙されうる」と僕は思う。

「知識量」と「騙されない能力」は別に存在する

 学問は常に進化し続ける。今日の真実が明日の嘘になることもしばしばだ。だからこそ学問は面白い。既存のルールを覆すことが可能な革命の力だと思う。

 いくら大量の知識を蓄えた知の巨人であったとしても、それにあぐらをかいて学びをやめれば明日はバカ呼ばわりされるかもしれない。

 単純な知識量だけでは誰かの嘘を暴くことは出来ないのだ。

 騙されない能力。それは相手の話を必ず検証するという事である。

 常にあらゆる知識をアップデートする事は不可能に近い。しかし、目の前にいる相手の話の真偽を検証する事は可能なはずだ。

 相手の話を聞いたら、それと正反対の事を言っている人間を探す。

 多くの人間の見解を聞いて、どちらがより確からしいか考える。

 そして最後は情報に対する勘や、嗅覚のようなものを使って信じるか信じないか決める。

 この作業さえ怠らなければどんな人間でも間違える事はあってもバカにされる事はないはずだ。嘘を見抜くための努力を出来る限り尽くしたのだから。

 逆にどれだけ今日まで賢く生きてきた人間であっても、情報の吟味を怠ればすぐにバカ呼ばわりされるだろう。

 だから僕は「水素水に騙されないように学校の勉強をがんばろう・がんばりなさい」などと言っている輩はバカだと思うし、学問それ自体を舐めていると思う。

 学問をクイズ大会かなにかのようなアトラクションだと勘違いしている薄っぺらい人間だと思う。

 騙された!騙されなかった!正解した!間違えた!

 そうじゃないでしょ。学問は。

 そんな単純でつまらない遊びならもうとっくに人類は学問に飽きてる。

 どこまでも終わりがないから面白いんだぜ。学問は。

 

追記

 コメント欄にて「化学の資料集にはニセ科学に対する注意喚起のページが存在する」というご指摘を受けたので確認したところ第一学習社さんの『スクエア 最新図説化学』の52ページから53ページに渡って『特集4 私たちはニセ科学に惑わされない』という特集が組まれている事を確認しました。

 教科書を作る側はかなり誠実に学問に向き合っているようで嬉しくなります。

 しかし、受験受験受験の現状ではこの特集に触れる余裕のある教師がどれだけいるのか……と思ってしまいます。何のデータも無い完全に僕の想像ですけどね。本当はみんなこのページに時間を割いているのかもしれない。

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スキャナーがぶっ壊れてて写真になっちゃって申し訳ない

かなり踏み込んだ誠実な内容なのでぜひ読んで