キィの日記

趣味のお話とか

なぜkai-youは、ゆゆうた氏の姿勢に対してはっきり切り込まないのか

『“光の”うたのおにいさん、“闇の”うたのおにいさん』(https://premium.kai-you.net/article/69
 
 本当はこの後に数回続くであろう『大石昌良「音楽にも物語を」 ゆゆうたとの対話』編の終了を待ってからこの批判をぶつけるのが筋と思う。けれど僕はこの怒りを維持したままこの数週間を過ごしたくはないので、心苦しくも第一回が掲載されたこのタイミングでこの記事を公開することを許してほしい。
 
 先日、kai-youにゆゆうた氏と大石昌良氏の対談が掲載されていた。kai-youというメディアはセクシー女優のパーソナリティに迫るインタビュー等を取り上げ、彼女たちのこれまでビデオに映りにくかった魅力に迫ってきたメディアである(もちろんセクシー女優専門メディアというわけでなく、大石昌良氏が取り上げられているように、総合的なカルチャーメディアである)。そんなkai-youが、ゲイ向けアダルトビデオに出演しているセクシー男優達を恐らく当事者たちが望まない形で消費してきたゆゆうた氏に対し、批判も洞察もなく取り上げているという矛盾に僕は憤りを覚える。
 ゆゆうた氏は『真夏の夜の淫夢』及びその周辺を取り巻く悪ガキコンテンツの精算をまだしていない。
 
 僕はこの記事において、淫夢ネタがホモフォビア的か否かは一旦問題にしない。近年、淫夢ネタの受け取られ方は大きく変容してきており、ネタにされている本人が比較的肯定的にネタに触れる例も確認されている。事実、淫夢ネタはホモフォビアだけで構成されているとは言い難く、多くは俳優達の台詞回しや仕草に対するネタが多いからだ(それだって「いじり」なのだから倫理的に議論が必要だろうという話だが、ここでは一旦置く)。

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淫夢界隈でよくネタにされていた男優・平野源五郎氏の投稿。超会議に出没するなどかなり前向きに捉えているようだ。
 
 僕が最も重く受け止めているのは「本来広く拡散される意図が無かったであろう半素人男優」さえもがあまねく世界に拡散され、僕自身もまたそれに加担してきたという事実である。
 作品ターゲットのセクシャリティに関わらず、アダルト系俳優の中では「忘れられる権利」がしばしば問題になる。次に紹介する森下くるみ氏のような単体女優レベルの方であってもその権利は当然適用されうる。
森下くるみ氏が作品販売等停止依頼を行った時の記事
 
 そうした中で、『真夏の夜の淫夢』という遊びは数回しか出演していないような企画俳優さえもネタにし、拡散してきてしまった。先にあげた平野氏のような「俳優としてその世界である程度顔が通っている人物」ならば、ネタにされるリスクは比較的低いだろうが(あくまで「比較的」。本人たちからすればいくらゲイの世界で顔が通っていても、受け入れることに葛藤はあるだろう)、業界外で多くの時間を過ごすであろう数回きりの企画男優にしてみれば「おい、この前ネットで見たぞ」と職場や友人関係の中で言われ、嫌な思いをするかもしれない。
 本来であれば、どんな作品に出演していようが、その事実が他人の知れるところになったとしても「ふーん、そうなんだ」で済む世の中だったら一番良い。けれどもそういう世の中ばかりではないだろう。そもそもの17年前、『真夏の夜の淫夢』の発端であるT氏のビデオ出演を世間は週刊誌等のメディアを通して面白おかしく差別的に扱ったのだから。当時大学生だったT氏はこの『真夏の夜の淫夢』スキャンダルのせいか否かは分からないものの、その年のドラフト有力候補であったにも関わらずNPBから指名されなかった。その後、T氏は活躍の場を求めて米球界に渡るのだが、MLB昇格の記者会見で『真夏の夜の淫夢』出演について問われた彼が「I'm not gay.」と答えざるを得なかったことは、その言葉が真実であれ嘘であれ今日ならばグロテスクな事実として報道される類のニュースだろう。
 
https://www.espn.com/mlb/news/story?id=1720362(T氏がMLBに昇格した際に書かれたESPNのニュース記事)
 
 僕、キィは2015年から2017年にかけて、『真夏の夜の淫夢』に関するMAD動画を投稿していた。ゆゆうた氏と殆ど同じ文化圏で活動していた。
キィのマイページ(https://www.nicovideo.jp/user/47247177
 しかし僕は『真夏の夜の淫夢』を取り巻く前述したような状況を咀嚼していく中で、この遊びを続けていくことが困難になってしまった。僕は淫夢ネタは必ずしも差別的だとは思わない。けれどそれを攻撃的でない姿勢で受け入れる土壌が世間に形成されているかと聞かれたら、言葉に窮する。だから2017年を最後に淫夢系MAD動画は一切投稿していない。かといって僕がやってきたことを無かったことにして、経歴をロンダリングすることもしたくはなかったため、動画やツイート等の記録は未だ残っている。だからこの記事の発表を以て僕は自身の『真夏の夜の淫夢』に関する活動に関してケジメをつけることを明確に宣言する。近いうちに動画も消すかもしれない。正直僕自身どこでバランスを取ればいいのかよく分かっていない。ずっと悩んでいる。けれども、今淫夢に対して僕自身のスタンスをはっきりさせておくことは決して無駄だとは思わない。
 僕は今ここで取り敢えずケジメをつけた。ゆゆうた氏はkai-youから取材を受けるということを、そしてkai-youは自身がセクシー女優の在り方に対して既存の価値観に挑戦しながら、ゆゆうた氏に対しては淫夢的ケジメをつけさせないまま取材をするということの意味を分かっているのだろうか。もしも過去ゆゆうた氏が生放送等でケジメをつけていたのなら、それは僕の調査不足だから謝る。けれども、僕の記憶する限り、調べた限りそんな話は聞いたことがない。
 
 
 ゆゆうたさん、なぜあなたに過激なアンチが群がってくるのか。それはそういうケジメをつけていないからです。もちろんケジメをつけたって叩く人は叩くでしょう。けれどきっと今ほどじゃない。
 あなたは過去にkai-youから受けたインタビューの中で「何もしていない」と言いました。
──Twitterが凍結されていたのはなぜなんですか?
 
ゆゆうた DMCA(デジタルミレニアム著作権)を悪用して、虚偽通告をすることができて、僕が特に何かをしたわけではないんですが、その餌食になって凍結させられました。
 もちろんこの回答は「(DMCAを犯すような)何かをしたわけではない」という文脈ではあるけれど、最近のあなたを見ていると、「何もしていない・ただ人気者というだけで過激なアンチが発生している」という風に自身の環境を解釈しているように思えてなりません。本当はあなたも分かっているでしょう。
 問題なのは淫夢関連のことだけじゃない。あなたは過去に唐澤貴洋氏という実在人物を事実無根の創作によって中傷する演奏を行い、今現在でもその利益に浴しています。あなたと同じように唐澤貴洋氏を中傷していた人の中にA氏という方がいました。彼は唐澤貴洋氏への中傷を含意した爆破予告を行い、3年8ヶ月の実刑判決を受けて現在も服役しています。獄中の彼と文通している方の報告によれば、A氏は刑務所内で過ごす中で、唐澤貴洋氏への関与を今後一切やめると決心したそうです。その旨はネットメディアの取材に対してちゃんと表明しています。唐澤貴洋氏との件に誠実に向き合っているA氏のことを思うと、あなたがのうのうと『一般男性脱糞シリーズ』の利益に浴しながら、「光の人たちにスポットを当ててもらって少しずつ浄化されていった」などと語るのはちゃんちゃらおかしいと思うのです。
 あなたが単にアンチと呼ぶ人達の中には、そういう文脈であなたに訴えかけている人だって大勢いるでしょう。僕たちは決してクリーンな創作者ではないかもしれない。けれど守るべき矜持は確かにあるはずです。これから今のようなスタイルでキャリアを積み重ねていくと言うなら、そのケジメを自分の生放送でポロッと喋るとかでもいいからやっておくべきでしょう。もし僕がその手の発言を見落としているならば、本当に申し訳ないと思いますが。
 
『弾き語り「一般男性脱糞シリーズ」』(https://www.nicovideo.jp/watch/sm31395381
示現舎『恒心教』(https://jigensha.info/2019/03/08/hasekara/)※A氏が近況を報告したインタビュー記事
※その他にA氏の連絡先が載っている、彼と文通している方のブログが存在するが、現在文通者が増えて返信が難しくなっている(受刑者は月に返信できる手紙の数が決まっている)ため、無用な混乱を避けるべく掲載を自粛する。だが調べればすぐに出てくるだろう。返信などいらないからA氏を応援したいと思う方は是非調べて彼に手紙を書いてみるのもいいかもしれない。彼自身、手紙がとても励みになっているようだ。
 
 
 kai-youさんへ。僕はあなたたちの作り上げてきたkai-youが好きです。セクシー女優達のパーソナリティに迫った連載『ガール・ミーツ・ストリート』が大好きです。ゲイ観に関して当事者の須賀原みちさんを聞き手にしたマツコ・デラックスさんへのインタビューも大変良かった。戸田真琴さんの連載も楽しみに読んでいました。
 それだけに今回の記事には疑問を感じています。記事単体で見た場合、特に問題はないでしょう。けれども、ゆゆうた氏のしてきたこと、彼がそれに対して現在どういうスタンスを取っているのか明確に表明していないことが僕にとって大問題なのです。
 最近、あなた方はVR文化とルッキズムについて考察した『Vol.2 「容姿革命」の本質』というコラムを掲載しました。VR文化の出現によって、人類はルッキズム即ち見た目の美醜に縛られた生き方から開放されるのではないか?という大変興味深い記事です。
 けれども、ここでゆゆうた氏の過去が引っかかってしまいます。数年前、「Vtuberのらきゃっとさんの配信中、のらきゃっとさんの現実世界の姿が事故で画面に映し出されてしまう」という事件が起きました。この時ゆゆうた氏はこの事件を配信中に取り上げ、のらきゃっとさんの容姿を揶揄するような発言をしています。そこにツッコミを入れないのはkai-youというメディアとしてダブルスタンダードではないでしょうか。
 もちろん、無傷の人間なんてこの世界にはいません。生まれたばかりの赤子を例外として、人は全ての人に対して罪があるものです。僕だって先に書いたように彼と同じような文化圏で活動していたのだから、冷笑的に誰かを傷つけたのは一度や二度ではありません。インターネットで起きたことだから、相手がもう既にいなくなったりしていて今更謝ることだって出来ない。だから大変卑怯ではあるけれども、こうして僕が持つ発信手段を用いて今のスタンスを公表しているのです。「そういうことはハッキリやめたい」と。けれども、ゆゆうた氏はそういった行動に対してケジメをつけることを怠っているように感じます。彼をkai-youで取り上げるならば、まず最初に行われるべきは彼が今までしてきたことに対する洞察の機会を与えることではないでしょうか。とことん自分の在り方に対して洞察する機会を持った方が、今後の彼のキャリアを考えても絶対に良いと思うのです。今までkai-youが取り組んできたことと、彼のやってきたことが矛盾するなら尚更です。なぜ彼がヒール的役回りになったのか。その答えに対してあなた方はちゃんと向き合っていない。彼が叩かれがちなのは、ただ人気者が恨めしいからという理由に留まらないと僕は思います。
 
『ガール・ミーツ・ストリート』 (https://kai-you.net/series/136
マツコ・デラックス インタビュー Webメディア/ゲイについて』(https://kai-you.net/article/36942
『悩みをひらく、映画と、言葉と』(https://kai-you.net/series/108
『Vol.2 「容姿革命」の本質』(https://premium.kai-you.net/article/66
『のらきゃっとの顔バレ動画を嬉しそうに晒すゆゆうた』(https://www.nicovideo.jp/watch/sm32700722