キィの日記

趣味のお話とか

同人ゲーム制作サークルの会議に混ぜてもらった時の思い出

去年、どういう縁か、知り合いのクッキー☆系絵師で構成されたゲーム制作サークル(別にサークルに名前が付いている訳ではないし、本人達もサークルだとは思ってないだろうが、間違いなく同好の士で結成された、緩くも真面目な集団だったので、僕はそう呼ぶ)のグループ通話に数回だけ混ぜてもらった事がある。

特にスキルがあるわけじゃない僕がなぜ誘われたのか、今考えてもよくわからないけれど、とにかく僕はそれに混ざっていた。

初めてのグループ通話

会議は夜10時あたりからゲリラ的に始まる。突然スカイプの通知音が鳴って、そこから始まる。

僕はあまり人と話すのが得意な方ではない。だからかかってきたらすぐに出る。かかってすぐならば1対1になる可能性が高い為、強制的に会話に持ち込める。

なぜコミュ障なのにタイマンに持ち込むのか?

グループ通話においては、既に仲の良い人間同士の世界が出来上がってからでは、僕が会話に参加する隙間は無い。何も出来ずに終わってしまう。故にタイマンに持ち込む事で少しずつ牙城を崩そうと計画したのだ(なんでそんなめんどいグループに入るんだよ!断れよ!)

僕と誰かが話していると、誰かが入ってきて、最近やったゲームの話とか、漫画の話を始める。で、しばらくすると「じゃあこの前作ったとこの続きしよっか」と本格的に会議が始まる。こうなると僕はお役御免。マイクを切って彼らの話を黙って聞くことに徹した。

やはり既にコミュニティが完成されていたという事もあって、中々僕が入っていく隙間を見つけるのは難しかった。メンバーの方も僕に気を使って話を振ってくれたりするのだが「デスヨネ…ハハ…」みたいな返事しか出来なかった気がする。緊張しすぎて覚えてない。

でも会議が始まってしまってからは、僕はただ聞いていればいいので、楽だったし、それでいて面白かった。

でも通話どころか会話自体に慣れてないのに、グループ通話に飛び込んでいく事はやっぱり他人にはおすすめ出来ない…。

緩いけど、熱いやつら

彼らは特に具体的な〆切を設けている訳ではないようだった。互いに仕事や、学校があるからという理由もあるだろう。でも決して不真面目な集団かと言えばそうではなかった。

ケンカのレベルがメチャクチャ高かった

ある日、O君とY君が、ゲームの妥協点探しでケンカをしていた。

Y君「だから!取り敢えず完成させないとダメなんだって!」

O君「特に〆切は無いんだから!こだわれるところまでこだわったっていいだろう!」

戦闘UIに関する議論だった。UIを簡素な物にして、すぐに完成させたいY君と、UIに最後までこだわりたいO君。

どちらが間違っているという話ではない。

完成させる事の大切さ

殆どネットで叩かれてるのを見たことが無いけど、更新頻度がうんこな上に完結する気配が無いベルセルク

 

事あるごとに「極限まで薄めたカルピス」と罵倒されながらも完結したBLEACH

 

「偉い」のはどちらか、と聞かれたら僕は迷いなくBLEACHと答える。

作者自身の置かれている状況は色々違うけれど、「完結した」「してない」という差は読者からすると大きい。

「でも今回のゲーム制作は、殆どお客さんなんか居ないんだから、完成にこだわらなくてもいいんじゃないの?」

それも違う。

作る側からしても取り敢えず完成させる事の意義は大きい。

自動インターネットウンコ製造機の僕がクリエイターのなんたるかを語るのはおこがましいかもしれないが、MADも完成させて初めて経験値になる部分が大きいと思う。

途中で終わってしまえば、それは「完成させた!」という成功体験を重ねられないまま次に進むことになってしまう。

いくら〆切が無いといっても、僕らの時間は無限ではない。寿命がある。突然の不幸がある。実際の寿命とは別に「やる気」の寿命もある。

〆切が無いという状態は、目に見えない〆切と戦っている状態に等しい。

こだわることの大切さ

だって面白いじゃん。細部にこだわったほうが。

どうせ、商売目的じゃないならば、納得いくまで作り込んだほうが良いに決まっている。

けど、チームで活動するとなると、いくら商売目的でないとはいえ、それぞれ「納得ライン」は違う。

「納得」は全てに優先するぜッ!!

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だから、時にケンカをしなければならない。

 

 

結局…

その日、彼ら2人の決着はつかず、結論は次回以降に持ち越しとなった。

レベルの高いケンカの前に甚く感動し、同時に自分が情けなくなって、打ちのめされてしまった僕は、それ以降その会議には出席していない。

一方通行でない、フェアな情熱的建設的会議が、とっても羨ましかった。

こういう妥協するしないの話になると、1人だけ空気が読めない盛り上がり方をしていて、他は冷ややか。というケースは珍しくない。でもこの会議でY君が提案した妥協は建設的妥協であり、O君のコダワリ論とぶつけるだけのパワーがあった。

そういう話し合いの場に参加することは、とても難しい。

大抵は誰かしらのテンションがズレている、という事実があるだけで、平行線を辿り、終わる。

僕は既にコミュニティが完成されているという事もあって、気まずくて最後まで参加していないけれど、納得の行く何かが作られていたらいーなー、出来ればプレイさせて貰いたいなー、と密かに思っている。