キィの日記

趣味のお話とか

高卒認定の合格証書が正式に届きました。

 先日、自己採点でほぼ満点だったので合格するだろう、という報告をした高卒認定についてです。

 無事、正式に合格証書が届きました。

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 1つの区切りに到達出来たのだなぁ、としみじみします。

 これだけでは大学に出願できないので『合格証明書』もしくは『合格成績証明書』を文部科学省に発行してもらい、それを大学に送らなければいけません。

 この「『合格証明書』もしくは『合格成績証明書』」というのが中々曲者で、大学によってどちらを要求するのかが違うそうです。どちらを要求するのか現段階で受験案内に明記していない大学もあり、めちゃくちゃ面倒です(僕が案内をよく読んでいないだけかもしれないけれど)。

 電話で聞くのも考えたけど、電話って証拠が残しにくいからもし間違っていた時に大学側の責任に出来ないんじゃないかと心配になったので、両方を志望大学の数だけ発行してもらう事にしました。

 どっちか1個に統一すればいいのに……。てか一々郵送で手続きじゃなくてネットでやらせてほしい。今時、銀行口座の開設すらネットだけで済んでしまうのだからコスト面でもセキュリティ面でもその方が良いと思います。 

 

 とにかく!皆様いつも応援ありがとうございます!

 引き続き大学受験も頑張りますので応援よろしくお願いします!

「水素水に騙されないように学校の勉強をがんばろう・がんばりなさい」と言う奴の薄っぺらさ

 去年、水素水商法がインチキだという事が話題になった。その流れで最近のTwitterには「騙されないために学校の勉強を頑張りましょうね~」などという寝ぼけたバカが大量発生している。

 高校を中退した僕が言うのもアレだが僕は学校で水素の効能の有無について事細かに学んだ覚えはない。

 仮に中退していなかったとしても元素1つ1つの細かい効果について化学の授業で取り上げたとは考えにくい。精々、火を点けるとめっちゃ燃える程度だろう。

 仮に教科書に「水素にそんな効能は無い」と書いてあったとして科学は日進月歩なのだから、自分の学んだ時代に無かった科学的根拠が新たに発見され、水素の効能が認められた可能性だってあるだろう。

 つまり、「学校の勉強を頑張っただけでは水素水に騙されうる」と僕は思う。

「知識量」と「騙されない能力」は別に存在する

 学問は常に進化し続ける。今日の真実が明日の嘘になることもしばしばだ。だからこそ学問は面白い。既存のルールを覆すことが可能な革命の力だと思う。

 いくら大量の知識を蓄えた知の巨人であったとしても、それにあぐらをかいて学びをやめれば明日はバカ呼ばわりされるかもしれない。

 単純な知識量だけでは誰かの嘘を暴くことは出来ないのだ。

 騙されない能力。それは相手の話を必ず検証するという事である。

 常にあらゆる知識をアップデートする事は不可能に近い。しかし、目の前にいる相手の話の真偽を検証する事は可能なはずだ。

 相手の話を聞いたら、それと正反対の事を言っている人間を探す。

 多くの人間の見解を聞いて、どちらがより確からしいか考える。

 そして最後は情報に対する勘や、嗅覚のようなものを使って信じるか信じないか決める。

 この作業さえ怠らなければどんな人間でも間違える事はあってもバカにされる事はないはずだ。嘘を見抜くための努力を出来る限り尽くしたのだから。

 逆にどれだけ今日まで賢く生きてきた人間であっても、情報の吟味を怠ればすぐにバカ呼ばわりされるだろう。

 だから僕は「水素水に騙されないように学校の勉強をがんばろう・がんばりなさい」などと言っている輩はバカだと思うし、学問それ自体を舐めていると思う。

 学問をクイズ大会かなにかのようなアトラクションだと勘違いしている薄っぺらい人間だと思う。

 騙された!騙されなかった!正解した!間違えた!

 そうじゃないでしょ。学問は。

 そんな単純でつまらない遊びならもうとっくに人類は学問に飽きてる。

 どこまでも終わりがないから面白いんだぜ。学問は。

 

追記

 コメント欄にて「化学の資料集にはニセ科学に対する注意喚起のページが存在する」というご指摘を受けたので確認したところ第一学習社さんの『スクエア 最新図説化学』の52ページから53ページに渡って『特集4 私たちはニセ科学に惑わされない』という特集が組まれている事を確認しました。

 教科書を作る側はかなり誠実に学問に向き合っているようで嬉しくなります。

 しかし、受験受験受験の現状ではこの特集に触れる余裕のある教師がどれだけいるのか……と思ってしまいます。何のデータも無い完全に僕の想像ですけどね。本当はみんなこのページに時間を割いているのかもしれない。

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スキャナーがぶっ壊れてて写真になっちゃって申し訳ない

かなり踏み込んだ誠実な内容なのでぜひ読んで

進路についてのあれこれ

kii8508110.hatenablog.com

 こーんなアホみたいな宣言をしたけれど、あれから一応それなりに今日まで真面目に数ヶ月過ごしてきた。

kii8508110.hatenablog.com

生活習慣を改めたり(この後Twitterは再開したけど早寝早起きはちゃんとやってる)

kii8508110.hatenablog.com

よくわからない考察をしたり

kii8508110.hatenablog.com

夢女子もドン引きの夢小説を書いてみたり

kii8508110.hatenablog.com

上戸彩とメールしたり

kii8508110.hatenablog.com

チン毛剃ったり

 

 僕が「東大に行きたい」と思ったのはラブひな成瀬川なるでシコりたかったというのもあるけれど、東大に行けなくても真面目に勉強してたら何か道が拓けるだろうという希望的観測があったからでもある。なんの目標もない僕だけれど、割と本気になって勉強したり、早寝早起きしてみたり、そうしていわば健康的な生活をしていれば鬱屈した今をどうにか出来るかもしれない。そう思っていたからだった。だから東大に行って特別学びたい事など何も無いのだ。「東大に行く」そう宣言さえしてしまえば、何かが僕の中で変化してくれるはずだと期待していた。

 実際、規則正しい生活をして、塾に通って勉強して、塾が無い日は図書館で勉強して……。そういう生活をしているうちに僕が本当にやりたかった事が分かってきた。

 僕は小説家になりたかったのだ。

 ブログ書いているうちに思ったのだけれど、僕はとても作文が好きみたいなのだ。こうして文章を書いているのが好きなのだ。それに、昔からフィクションが大好きだった事を思い出した。

kii8508110.hatenablog.com

 上の記事みたいにブログの中で簡単な物語を書いてみたりした。やっぱり楽しい。作文ならどうにか生きていけるかもしれない。そういう自分についてのあれこれが少しずつ分かってきた。

 そういうあれこれを踏まえて、僕が改めて今行きたいと思っている学校がある。

 日本大学の芸術学部文芸学科だ。

www.art.nihon-u.ac.jp

 僕はとにかく、自分の興味の無いものを我慢して続けるという事が出来ないタイプの人間だ。今こうして受験勉強をしているのも非常に苦しい。

 特に興味も無い学部に進学してみた所で必ず詰まってしまう事が目に見えている。それなら物語を書いてさえいれば(それはそれで大変だけど)大卒になれる場所のがいくらかマシであるように思えるのだ。

 受験科目も国語と英語の2教科だけと本気でやればギリギリ今年度中になんとかなりそうである(現代文の過去問は無勉でも殆ど解けるレベルだったので決して根拠が無い自信ではない)。

 で、今の僕の悩みといえばここに落ちた時どうするかである。滑り止めで興味の無い大学を受けるべきなのか。それともフリーターをしながらライターの道を模索するべきなのか。飽きっぽい僕が2018年も浪人生をするという選択肢はあまり現実的ではないので真っ先に外した。

 あと、早く東京で暮らしてみたい。という邪な願望もある。

 日芸一本で行くならセンター試験いらないかー、と受けなかったのもちょっと勿体無かったかなぁ。どうせ国語と英語以外使えないからアレだけど、倫理とか現社ぐらいならまあそこそこいけそうだし受けといても良かったかもしれない。

 今考えているのは亜細亜大学桜美林大学。いずれも国語と英語だけで受験が可能だし、レベル的にも日芸よりは楽なのかな?よくわからん……。俺は雰囲気で大学受験をやっている……。

 あまり残っている時間はそう多くないので早く決断しなければ。

 まあ、最悪ホームレスしながら作家を目指すのも別に良いと思っている(実際そういう人いるしね。エリック・ホッファーとか海猫沢めろんとか)。世の中最悪死ぬだけなのだから何も恐れる事は無い。けれど、ローリスクな手段を選べるならばそれに越したことは無いよね。簡単に卒業できそうな東京の大学無いかなぁ。働きながら作家を目指すにあたって大卒の肩書はあった方がいいんだろうか。よくわからん。今の就活市場はどうなっているのだろう。考えることが多すぎて困る。

 

 あ、そうそう。大学の面接で自分の過去作について喋れないのもアレだからここの新人賞に送っといた。

cobalt.shueisha.co.jp

 とりあえず原稿用紙30枚しっかり書いた。2月頃に返ってくるらしいから返ってきたら「なろう」にでも載せようと思います。その時はみんなよろしくね。

僕のiPhoneケーブル

 テロン、テロン、テロン。

 iPhoneをパソコンに接続すると何度も何度も接続を示す音が鳴る。ケーブルが悪いのか、或いはiPhoneの方の差込口が悪いのか、はたまたパソコンの方の差込口が悪いのか。

 ケーブルを掴んである一定の角度に固定すると音が鳴り止む。ケーブルの接触が悪いらしい。

 なんたって君はそんなにパソコンが嫌いなんだい。ACアダプターに差してる時は文句1つ言わないじゃないか。君と、このlenovoのパソコンの間には何かわだかまりがあるのかい?あんまりワガママだと困っちゃうよ。

 必死になだめてみたけれど、僕がケーブルから手を放すと再び音が鳴る。テロン、テロン、テロン。ケーブルを掴んで角度を合わせる。音が止む。

 何が気に入らないのだろう。生理的嫌悪というやつなのだろうか。確かに絶対に仲良く出来ない相手というのは存在する。でも君は道具で、僕はその持ち主なのだから、君は僕の言うことを素直に聞いて我慢するのがスジではないのかい?それは人権意識、もといケーブル権意識に反する発言だって?そうは言ってもねぇ、世の中には諦めってやつが大事な時もあるんだよ。ああ、若いケーブルに向かって「諦めろ」と吐くなんて僕はなんてダサい人間なんだろう。「諦め」だなんて口にする人間には死んでもなるまいと誓ったのにねぇ。でもね、君がこのパソコンと仲良くしてくれないと僕も困るんだよ。

 テロン、テロン、テロン。

高卒認定試験を受けて参りました。

 自己採点したら96/100だったのでまず落ちないと思います。これで僕も「高卒程度の学力を持っている」の仲間入りなわけですね。中卒のまんまなのが辛いところです。

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高卒認定試験まで一週間を切っている

 自分が高卒認定試験を受験するという事実を意識すると改めて「あぁ、僕って中卒なんだなぁ」としみじみする。まぁ、別に珍しい話でもないけれど。ありふれたダメさでコンテンツ化するには少しインパクトに欠ける。僕のリア友にも数人高校中退してる子がいるし。

 そのうちの1人、K君は「高卒認定なんて40点取れば受かるんだから楽勝だぞ」と言っていたのだがこれが全然楽勝じゃない。

 幸いなことに僕は資格に必要な単位を高校を中退するまでに全て取得している。しかし中退してしまった以上は必ずどれか1教科受験しなければならない。仕方がないので1番得意な国語を選択したのだが、これが存外難しい。真面目系クズ人間の例に漏れず僕は現代文だけはどんな問題が来ようが無勉でほぼ満点なのだが、他はからきしダメなのだ。で、高卒認定試験における現代文の配点はちょうど40点。一問でも間違えれば死である。したがって、リスク管理の為に古文漢文を鍛える事になるのだが過去問を読むとべらぼうに難しい。ネットで調べると「偏差値にして40~45くらいの問題だよ!」と書いてあるが全く信じられない。漢文を完全に切って古文に絞りここ3ヶ月程勉強してきたので多少の自信はあるが、どうにも「よし」となるレベルの自信には至っていない。

 大体なんたって今興味の無い言語を勉強せにゃならんのだ。古文漢文で書かれた何かを読みたいと思った時に自分で勉強すればいいではないか。もういっそイヌイット語でも出題したらどうなんだ。今この時この瞬間に古文漢文をやらせる意図はなんなのだ。殺しますよ???

 そんな中学生みたいな理屈を述べた所で世間は僕に高卒資格を与えてはくれないので一先ず筆をテキストに走らせるのである……。

爆闘!兄弟喧嘩!譲れない男の意地と意地!

 久しぶりに弟と兄弟喧嘩したので報告します。

 僕には2つ下の弟がいます。僕はこいつと昔から馬が合いません。なんでかって態度がデカいから。

 例えば食卓に箸が無いと「箸!」と言うタイプと言えば伝わるでしょうか。(実際言う)

 そのたびに僕は(箸取ってきて、だろーーーーーーー!?!?!?!?!?)と思うのですが僕は植物のように暮らしたい吉良吉影タイプなので黙って箸を持ってきます。

 そんな事が積もり積もって年に数度、彼と喧嘩になることがあります。今年は10/25がその日でした。

 

 その日の夜、僕は2階の自室で武田弘光の『いまりあ』というエロ漫画でシコっていました。

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※いまりあ

武田弘光の名作NTRエロ漫画。収録された作品全てがNTRで構成されており、NTR好きにはたまらない一品。僕のお気に入りは表紙の女の子が媚薬風呂に無理矢理沈められてチンポ狂いになるシーン。

 

ピンポーン。

 1階のインターホンが鳴りました。どうせ母さんが出るでしょ……と無視してシコり続けていると何回も何回も鳴り続けました。

 こんなに連続で押すのは弟しかいません。そして僕は母親が買い物に出かけている事を思い出しました。

 なんでアイツは18にもなって鍵を持ち歩かないんだろう。やれやれ、僕はマイフェイバリットまでページを飛ばし、手早く精液を便器の中へ飛ばしました。

 小便でチンコに残った精液を洗い流し、急いで1階に降ります。

 ドアを開けると、勢い良く弟が入ってきます。

「なんで開けねーんずや!(訳:なぜドアを開けないのか?)」

 第一声からキレる弟。母親が出かけているという事実を冷静に伝えてその場から立ち去ればいいものを、オナニーを邪魔されて機嫌の悪い僕はキレてしまいました。

「鍵ぐらい持ち歩けよ……」

「忘れる時もあるんだいね!(訳:忘れる時もあるだろうが)」

「そんなハナっから声を荒げなくてもいいだろ!」

 とにかくこの男は子供の頃から何か気に食わない事があると第一声から攻撃的な発声を行います。所謂その場その場で怒りを精算してしまうタイプ。対して僕の怒りはポイント制で年に数回爆発させるタイプ。そんなわけで僕の怒りは「鍵を持ち歩いているor持ち歩いていない」というくだらない理由でポイント満タンになってしまいました。

 居間に移動しながら口喧嘩は続きます。

「俺だって野球の練習で疲れてるんだいね!(疲れているんだよ)」

「疲れてたらどんな態度とってもいいのかよ!」

「オメー↑(津軽弁のイントネーション)が先に声を荒げてきたんだろ!」

「そっちが先だろうが!」

 

誤解が不和を呼び、不和が戦いを呼び、戦いが悲しみを呼ぶ

その中で芽生えた友情も、愛も、光のなかに溶け込むしかないのか

行くは破壊

来るは破壊

すべて破壊

 

www.nicovideo.jp

 

「劉鳳ォォォォォォォォォォ!!!!!」

 

「カズマァァァァァァァァァ!!!!!」

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※イメージ画像

スクライド

・2001年に放送していた能力バトルアニメ。熱い男の喧嘩と友情がテーマ。しかし見ろ、あれを見ろ。あれがカズマだ、君島だ。そのクズ、そのバカ、他にはいない。

 

「うおおおおおおおおおおお!」

 僕は弟に渾身のタックルを仕掛けました。が、名門野球部で毎日毎日体を鍛えている弟と、ついこの間まで24時間ひきこもり人間だった僕では大人と子供。勝てるはずもなく……。

「ぐあああああああああああ!」

 弟が軽く僕の体を押しただけで僕は床に転がりました。

 殺られる……。クソッ、湘南乃風なんか聞いてるやつに喧嘩ふっかけるんじゃなかった……。女の子と媚薬風呂プレイしてから死にたかったなァ……。

 僕が後悔しつつ次の衝撃にそなえていると、弟から意外な言葉が出てきました。

「俺が最初『なんで開けねーのか』って言った時は別に怒ってなかったんだいね!そっちが勝手にそう解釈したんだろ!そう聞こえてしまったのは悪いと思うけど、もうそれ価値観の問題だから!争っても無駄!」

 急にマトモな事言う?てか最初の怒鳴りはキレてないの?いっつもいっつも客観的に見て攻撃的な口調だから僕も母さんも君について困ってるんだけど?怒鳴りによる怒りの精算に慣れすぎて自分の怒りにも気づいてないの?

 色々疑問点はあるものの「価値観の問題」というワードが出てしまえば喧嘩なんて続けられません。対等な立場で起こる喧嘩は基本的に「価値観の問題」というワードを先に出した方が勝ちだと思います。あと、先に謝った方。

 全然納得してないし、一々怒鳴るのやめてほしいけど「価値観の問題」を出された上に先に謝られてしまってはもう引き下がるしかありません。

「わかった……わかったよもう!」

 謎のキレ方をして二階に戻る僕。なんてダサいのだろう。『スクライド』のBGMが鳴り響いていた脳内は『NHKにようこそ』の切ないBGMに切り替わってしまいました。

 振り上げた拳の下ろしどころを失った僕は完全に萎えてしまい、ただただ虚空を見つめました。

 しかし、湘南乃風ばかり聞いている弟がそれなりに弁の立つ賢い人間だとわかったので少し安心しました。ただのバカだと思っていたので少し心配だったのですが、これだけ頭がいいならどこへ行っても大丈夫でしょう。気に入らない事がある度怒鳴って精算しようとするのはやはり感心しないけれど……。

 

 マジ早く実家から脱出しないとハゲるわ。

スクライド Blu-ray BOX

スクライド Blu-ray BOX

 

「世界の終わり」とは何か ~スキーター・デイヴィスのThe End Of The Worldについて~

www.youtube.com

 

Why does the sun go on shining?(なぜ太陽は輝き続けているの?)
Why does the sea rush to shore?(なぜ海は岸を打ち続けているの?)
Don't they know it's the end of the world?(彼らは世界が終わった事を知らないのか?)

 

 この印象的な歌い出しから始まるスキーター・デイヴィスの『The End Of The World』が僕は好きだ。

 この歌の中における「世界の終わり」は「誰か個人に辛いことや悲しい事があって、主観的に世界が終わった状態」を指している。この歌の主人公は何かとてもショッキングな事があって、彼の世界は主観的に終わってしまった。でも世界が終わったのにも関わらずなぜかまだ太陽は輝き続けているし、波も打ち続けている。どうして?というのが冒頭のニュアンスなわけだ。

 しばしば僕たちは何かショッキングな事があった時、「終わった」とか「消えてしまいたい」とか呟くわけで。そんな主観世界の崩壊と、それに構わず進んでいく客観世界の連続性が生むギャップ。その描写に成功したこの歌が僕は大好き。だって言い回しがとっても上手いんだもん。太陽や海に向かって上から目線で「Don't they know it's the end of the world?」なんて言っちゃうあの感じ。あの感じの描写。

 普段、僕らの世界に対する認識は主観世界と客観世界がほぼ完全に一致した状態で進んでいく。その世界において僕らは不老不死であり、全ての行動は「僕らは明日明後日も問題なく生きており、死ぬことは無い」という前提に基づいて決定される。

 その大前提、「僕らは明日明後日も問題なく生きており、死ぬことは無い」という認識にほころびが生じた時、我々は強いショックで身動きが取れなくなる。それはまさに『世界の終わり』と呼ぶにふさわしい。

 例えばラブラブのカップルなんか「我々の愛は永遠である」と完全に信じきっている。だが思いの外、半年持たずに別れたりする。そんな時の彼らの表情を思い浮かべれば『世界の終わり』を理解出来ると思う。

 でもそのカップルが別れたからといって太陽が消えたり、海が枯れたりはしない。勿論僕らの生活にも一切の影響は無い。それは太陽や海や僕らがカップルにとって客観世界に属しているからだ。対してそのカップルの主観世界はまるで隕石の雨でも降ったみたいに、黙示録のように終わっている。

 そういう『主観世界の崩壊と客観世界の連続性によるギャップ』という普遍的認識に血と肉を与える事に成功しているのがこの歌。

 本当に好き。